低用量ピルの他にはどんな避妊方法がある?メリットやデメリットを解説

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妊娠は人生にとって大きなライフイベント。望まない妊娠は、自分の心と身体に大きな負担になってしまうため、妊娠を望まない家庭やカップルが性交する際は、避妊対策が必要です。

低用量ピルは高い避妊効果があることで知られていますが、ピルを飲んでいるからといって100%避妊できるわけではありません。

今回は、低用量ピルとその他の避妊方法のメリットデメリットを比較していきます。

避妊方法の種類とメリット・デメリット

低用量ピル

低用量ピルには卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2つの女性ホルモンが含まれています。ピルを飲むことによって排卵を抑えるため、避妊効果があります。

メリット

  • 正しく服用することで99%以上の高い避妊効果がある
  • 避妊以外にも生理痛の軽減・肌荒れ改善・子宮内膜症の予防・卵巣・子宮がんの予防も期待できる

デメリット

  • 毎日決まった時間に服用しなければいけない
  • 服用を忘れると避妊効果が薄れる
  • 吐き気や頭痛などの副作用がある場合がある
  • 保険適応外なので長期的に大きな出費となる

コンドーム

コンドームは日本でもっとも一般的で手頃な避妊方法です。ゴムやポリウレタン製の袋状のものを男性の性器に装着することで精子が子宮に入るのを防ぎます。

メリット

  • 正しく使用することで約98%の避妊効果がある
  • 安価でコンビニやドラッグストアで手に入る
  • 避妊以外に性感染症も予防できる
  • 副作用がない

デメリット

  • 穴が開いているなどの不良品や、破れてしまった場合、着用するタイミングを誤ると避妊に失敗する可能性がある
  • パートナーの協力が必要

避妊リング
(子宮内黄体ホルモン放出システムIUS・子宮内避妊器具IUD)

女性の子宮内に挿入する避妊リングには、IUS(子宮内黄体ホルモン放出システム)とIUD(子宮内避妊器具)の2種類があります。

IUSは、黄体ホルモンを子宮内に持続的に放出することによって避妊効果を発揮します。IUDは、精子に働きかけることで受精能力をなくしたり着床を防いだりして避妊します。

メリット

  • 女性主体の避妊方法
  • 一度の挿入で3〜5年間の避妊が可能
  • ピルのように飲み忘れを気にする必要がない

デメリット

  • 医師による装着・除去が必要で、挿入の際に痛みや出血を伴う場合がある
  • 挿入位置がずれると避妊効果が低下する
  • 細菌感染を起こす可能性がある

リズム法

リズム法とは、女性が毎日基礎体温を測り、妊娠しやすい時期を予測してその時期の性交を避ける方法です。

メリット

  • 基礎体温計を用意すれば気軽に始められる
  • 生理周期を知ることで体調の変化にも気づきやすくなる

デメリット

  • 基礎体温を正確に測るのが難しい
  • 避妊効果は高くない
  • さまざまな要因で排卵日がずれることがある

不妊手術

不妊手術は、半永久的に生殖能力を失わせる避妊法です。男性に対して行う不妊手術と、女性に対して行う不妊手術があります。

男性の不妊手術は、精管を切断または塞ぎ、精子の通路を止めてしまう方法です。女性の不妊手術は、卵管を切断または塞ぎ、卵子の通路を止めてしまう方法です。

メリット

  • 一度手術すれば避妊のことを考えなくてよくなる

デメリット

  • 医師による手術が必要
  • 二度と子どもを持てなくなる

アフターピル

避妊に失敗した場合や望まない性行為があった場合、緊急に避妊をする目的でアフターピルが使用されることがあります。

ただし、アフターピルを使用するのは、やむを得ない場合のみです。「アフターピルがあるから大丈夫」と後先考えずに性行為をすることはやめましょう。

メリット

  • 避妊に失敗した場合や望まない性行為をした場合の妊娠を防ぐ

デメリット

  • 金銭的に高価
  • 吐き気などの副作用が出る場合がある

まとめ

望まない妊娠を避けるためには、避妊が必要不可欠です。

主な避妊方法としては、低用量ピルを服用する以外に、コンドームを使用する方法、避妊リングを装着する方法、基礎体温で排卵日を予測するリズム法、不妊手術をする方法があります。

万が一の場合にはアフターピルを服用する方法もありますが、自身の心と身体を守るためにも、日頃から正しい避妊をすることが大切です。

低用量ピルはその中でも高い避妊効果がありますが、どの方法も確実に避妊ができるわけではないことを理解して、パートナーとよく話し合い、複数の方法で避妊するなどの対策をしましょう。