低用量ピルを飲むと生理はどうなる?ピル服用によって起こる変化も解説

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避妊や生理痛改善に効果的な低用量ピル。「ピル」という言葉や避妊効果についてはなんとなく知っていても、「低用量ピルを飲むと生理がどうなるのか」について知っている人は少ないのではないでしょうか?

今回は、低用量ピルを服用すると生理がどうなるのか、またどんな変化があるのかについて詳しく解説します。

低用量ピルを飲むと生理が止まるわけではない

低用量ピルを服用すると排卵は止まりますが、出血を伴う生理が止まるわけではありません。

低用量ピルは28日を1クールとして服用しますが、22日目から28日目は休薬期間となり、この期間に通常の生理のように子宮内膜が剥がれ、数日後に出血が生じます。

これを「消退出血」といい、厳密には生理ではありませんが生理と同じような出血があります。

ピルの服用によって排卵が止まるため避妊効果が期待できますが、定期的な出血がなくなるわけではありません。

低用量ピルを飲むことで起こる変化

低用量ピルには卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)という2つの女性ホルモンが含まれているので、排卵や生理に変化が起こります。

低用量ピルを服用することで起こる変化

  • 排卵の抑制
  • 月経量の減少
  • 生理不順や生理痛の改善
  • PMSやPMDDの解消
  • 排卵の抑制

    通常の場合、排卵に向けてエストロゲンの分泌量が増加しますが、低用量ピルにはエストロゲンが配合されているため、脳がエストロゲンの分泌をしなくてもいいという判断をします。

    つまり、低用量ピルを服用することでエストロゲンが分泌されなくなり、排卵が抑制されるのです。

    月経量の減少

    低用量ピルを服用することで月経量を減少させる効果があります。

    排卵がある場合は、排卵後に子宮内膜を厚くするためのプロゲステロンが分泌されますが、低用量ピルによって排卵を抑制することでプロゲステロンの分泌も減少します。

    プロゲステロンの分泌が減少するということは子宮内膜が厚くならないので、通常よりも月経量が少なくなります。

    そのため、月経過多の症状がある場合に低用量ピルが処方されることがあります。月経量が多い方や月経が長引く方は、一度婦人科を受診してみましょう。

    生理不順や生理痛の改善

    低用量ピルを服用すると、服用期間に生理が来ず休薬期間に生理が来るため、生理周期が安定します。

    また、卵巣から分泌されるプロゲステロンが抑制されるため、プロゲステロンの分泌量の急激な変化によって起こる生理痛を緩和させる効果が期待できます。

    生理不順に悩んでいる方や、痛み止めが手放せないほどの生理痛に悩んでいる方は、低用量ピルを処方してもらうことで改善できるかもしれません。

    ただし、生理不順が起こる原因はホルモンバランスの乱れだけでなく、子宮や卵巣の病気が関係していることも考えられるため、低用量ピルを用いても症状が改善しない場合は医師に相談するようにしましょう。

    PMSやPMDDの解消

    低用量ピルには2つの女性ホルモンが配合されているため、服用を続けることで体内の女性ホルモンバランスが整っていきます。

    そのため、女性ホルモンバランスの変化によって起こるPMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)などの症状を抑える効果も期待できます。

    ホルモンバランスが安定することで、むくみや便秘、肌荒れなども改善できるでしょう。

    まとめ

    低用量ピルを服用することで排卵は止まりますが、生理が止まるわけではありません。

    正しい服用を続けることで、休薬期間中に生理と同じような消退出血が起こるため、生理周期が安定し月経量が減少します。

    ピルによって女性ホルモンバランスが安定するため、生理痛やPMSなどの症状を和らげる効果も期待できます。気になる症状がある方は医療機関を受診してみましょう。