低用量ピルは生理不順の改善にも効果的!ピルと生理の関係を解説

vol16

避妊薬としてのイメージが強い低用量ピルですが、生理痛を和らげたり、生理サイクルを整えたりするためにも活用されています。

毎月訪れるはずの生理がなかなか来ない」「1ヶ月に何度も生理が来る」といった生理不順に悩んでいる方にもピルは効果的です。

今回は、低用量ピルが生理不順改善に効果がある理由や、生理不順治療に使われる低用量ピルについて詳しく解説していきます。

生理不順とは

生理不順とは、正常な生理周期よりも短い間隔や長い間隔で生理が起こってしまうこと。

正常な生理周期は25日から38日とされていますが、24日以内の周期で生理が起こることを「頻発月経」と言います。

頻発月経は卵胞期が短い、黄体期が短い、無排卵月経を起こしているなどの原因が考えられますが、黄体期が短い場合は、子宮内膜が十分に育たず不妊や流産の原因になることがあります。

反対に、39日以上3ヶ月未満の周期で生理が起こることを「稀発月経」と言います。3ヶ月以上生理がない場合はホルモン異常などの原因が考えられます。

生理不順の原因はさまざまですが、大きな原因は生活環境の変化や不規則な生活によって女性ホルモンバランスが崩れることです。

生理不順が起こる主な原因

  • 過度のストレス
  • 激しい運動や無理なダイエット
  • 不規則な生活
  • 子宮・卵巣・甲状腺などの病気
  • 生理不順が引き起こすトラブル

    生理不順の原因にはホルモンバランスの崩れ以外に、ホルモン異常や他の病気が隠れている場合があります。

    生理不順を放置していると将来的に不妊や流産、深刻な病気の原因になる可能性もあります。

    「生理の回数が少ないほうが楽だから」という理由で放置せず、一度医療機関を受診するようにしましょう。

    生理不順が引き起こすトラブル

  • 機能性子宮出血・・・子宮の病気がないのに起きる不正出血で貧血の原因になる
  • 黄体機能不全・・・黄体の働きが弱まり、不妊症や流産、不正出血の原因になる
  • 多嚢胞性卵巣症候群・・・卵胞の成長が止まり排卵しなくなり、不妊やニキビの原因になる
  • 低用量ピルで生理不順を改善できる理由

    低用量ピルは28日間のサイクルで服用します。はじめの21日間に実薬を服用し、その後の7日間に休薬しますが、この休薬期間中に生理と同じように子宮内膜が剥がれ落ち出血します。

    つまり、低用量ピルを服用することで「休薬期間中に必ず生理が来る」というサイクルができあがるため、生理周期が安定します。

    ピルには卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)という2つの女性ホルモンが配合されていて、服用することで妊娠したときと同じようなホルモンバランスになります。

    通常の生理周期のようなホルモンバランスの大きな変動がなくなるため、生理不順や生理痛など、生理にまつわるトラブルの改善が期待できます。

    生理不順治療に使われる低用量ピル

    生理不順の治療に使われるのは「LEP(レップ)」と呼ばれるピルです。中でもホルモン配合量が比較的少ない低用量ピルが使われます。

    LEPは医師の判断で治療薬と判断されると保険適用で処方されますので、まずは医療機関を受診して相談してみましょう。

    まとめ

    生理周期が安定しない生理不順に悩んでいる方は、低用量ピルの服用で改善できるかもしれません。

    ピルを服用すると、休薬期間中に生理が訪れるようになるため、生理周期が安定し先々の予定が立てやすくなるでしょう。

    同時に生理痛の軽減やホルモンバランスの乱れによる肌トラブルにも効果が期待できます。

    気になる症状がある方は、一度医師に相談してみましょう。