「低用量ピルを飲むと太る」って本当?ウワサの理由と対処法を解説

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避妊効果が高く、生理痛や生理不順など生理にまつわるトラブル改善が期待できる低用量ピル。

しかし「低用量ピルを飲むと太る」というウワサを聞いて不安に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで今回は、低用量ピルを服用すると本当に太るのか、万が一太ったと感じた場合はどうしたらいいのかについて解説します。

「低用量ピルを飲むと太る」は誤解

結論から言うと、「低用量ピルを飲むと太る」というウワサには医学的な根拠はありません。

低用量ピルを飲むと太ると思われている理由としては、ネット上で低用量ピルを飲むとむくむ、食欲が増進するといった内容が書かれているからではないでしょうか。

むくみについて

通常、月経前には卵胞ホルモン(エストロゲン)が減少して黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌量が増加します。

このホルモンには体内に水分をとりこむ作用があるため、むくみや便秘の原因になることも。

低用量ピルにはこの2つの女性ホルモンが含まれているため、ピルを飲み始めたタイミングでむくみやすくなり体重が増えたように感じられることがあるかもしれません。

ただし、目立つのは服用を始めて1〜2ヶ月程度の場合がほとんどです。

そもそも低用量ピルの女性ホルモンの含有量は少ないため、ピル服用によるむくみは起こりにくいとされています。

食欲増進について

排卵直後に多く分泌するプロゲステロンには食欲増進作用がありますが、低用量ピルにもプロゲステロンが含まれているため、必要以上のカロリー摂取によって体重が増加するケースもあるでしょう。

ピルの服用を始めた頃は、一時的にホルモンバランスが乱れるため、その時期に太ったと感じることがあるかもしれません。

しかし、ピルを継続して服用することでホルモンバランスが整ってくるため、1〜2ヶ月で落ち着くでしょう。ピルを飲み始めて数カ月間は体重増加に気をつけましょう。

太ったと感じた場合の対処法

低用量ピルの服用は太ることに直結はしませんが、万が一太ったと感じた場合は生活習慣を見直したり、ピルの種類を変えてみるのが効果的です。

栄養バランスに気をつける

食欲増進による体重増加を防ぐためには食べ過ぎを防止することが大切ですが、単に食事を減らしても結局甘いものを摂ってしまうことになりかねません。

重要なのは栄養バランスに気をつけ、よく噛んで食べること

自分に必要なカロリーを確認しそれ以上食べないことと同時に、タンパク質・脂質・糖質のバランスを意識して、ビタミンやミネラルが豊富な野菜を摂り入れた食事を心がけましょう。

食欲を抑えられなくて自己嫌悪になってしまうとストレスが溜まり、それが体重増加につながることもあるので、「今はそういう時期なんだ」と思い詰めすぎないことも大切です。

適度な運動を取り入れる

低用量ピルを飲み始めた頃にむくみが出た場合は、適度な運動が効果的です。

運動といってもウォーキングやストレッチ、マッサージなど簡単なもので構いません。適度に身体を動かすことで血行が促され余分な水分が排出されやすくなります。

あくまで自分の体調や身体に合った範囲で無理なく続けることが大切です。

ピルの種類を変える

生活習慣を変えてもむくみ症状がひどい場合などは、医師に相談してピルの種類を変更してもらいましょう。

低用量ピルといってもさまざまな種類があり、女性ホルモンの含有量も異なります。どのピルが合うかは体質によっても異なります。

むくみやその他の副作用に悩まされる場合は、遠慮せずに担当医に相談してみましょう。

まとめ

低用量ピルを服用すると太る」という医学的な根拠はないため、太ることが気になっている方は安心して服用しましょう。

ただし、ピルの飲み始めは一時的にホルモンバランスが崩れるため、むくみを感じたり食欲が増えたと感じたりすることがあるかもしれません。

むくみや食欲増進を感じる場合は、食事や運動に気をつけ生活習慣を整えてみましょう。

3ヶ月以上経っても改善されない場合は医師に相談してピルの種類を変えることも検討してみてください。