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正しく服用することで99.7%という高い避妊率を誇る低用量ピル。避妊を目的としたピルだけでなく、月経困難症や子宮内膜症の治療目的で処方されるピルにも避妊の副効用があります。
今は避妊を考えているけれど「低用量ピルを飲み続けていると、将来妊娠しづらくなるのでは?」と心配する方も多いでしょう。
今回は、低用量ピルの服用と将来の妊娠の関係について詳しく解説します。ピルの服用をやめるタイミングや注意点もあわせて確認しておきましょう。
低用量ピルを飲み続けると妊娠しづらいの?
避妊効果の高い低用量ピルを長期的に服用していても、将来の妊娠には影響されないということが報告されています。
ピルを服用していた期間による妊娠率にも差はないため、長期間低用量ピルを服用していたからといって妊娠する可能性が下がるということもありません。
また、妊娠前のピル服用がその後の妊娠で胎児に影響を与える心配がないということも研究によって明らかにされていますので、ピルの服用による将来の妊娠について心配する必要はないでしょう。
低用量ピルの服用をやめるタイミング
低用量ピルを服用している人が妊娠を望む場合は、ピルの服用を中止する必要があります。
ピルの服用をやめると1〜3ヶ月ほどで排卵機能が正常に働くようになります。基礎体温表をつけてみると低温期と高温期の二相に分かれるようになるので、排卵日が予測できるようになるでしょう。
またこの頃に通常の生理が訪れるようになります。3ヶ月以上経っても生理が来ない場合は、妊娠している可能性を視野に入れて検査してみることをおすすめします。
ピルを中止してから1年以内に妊娠できた率は84〜88%という報告がありますが、妊娠する時期に関しては個人差がありますのであまり神経質にならないようにしましょう。
1年以上経っても妊娠しない場合は、もともと妊娠しづらい体質である場合や、子宮や卵巣に病気がある可能性も考えられるため、医療機関を受診して相談してみてください。
低用量ピルをやめる際の注意点
低用量ピルを服用していた理由が、月経困難症や子宮内膜症、PMS症状の緩和だった場合は、ピルをやめることで服用前の症状が再発する可能性があります。
そして、低用量ピルによって少なくなっていた月経量が通常の量に戻ることも覚えておきましょう。
事情が変わり再度低用量ピルを服用したい場合は、血栓症のリスクが高まるため、自己判断せずに医師に相談するようにしてください。
産後のピル再開について
出産後に避妊したいからといって自己判断でピルの服用をはじめることは避けましょう。
産後すぐの時期は血栓症のリスクが高まります。また、授乳中に低用量ピルを服用すると、母乳の量や質の低下だけでなく、赤ちゃんへ影響が出る可能性があります。
基本的には産後6ヶ月以上経っていて、なおかつ医師が服用可能だと判断した場合にピルを再開することができるようになります。
産後の避妊や生理の悩みがある場合は、まずは医師に相談するようにしましょう。
まとめ
低用量ピルを長期間服用しても、将来の妊娠に影響を与えることはありません。
ピルの服用を中止すれば元のように排卵が始まり、妊娠できるようになります。
低用量ピルは避妊以外にも生理不順や月経困難症、PMSの軽減にも効果的なので、将来の妊娠について過度に心配をせず、医師と相談しながらピルの服用を考えてみましょう。