避妊目的だけじゃないピルの効果!低用量ピル・生理移動ピル・アフターピルの違いを解説

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みなさんはピルにどんなイメージを持っていますか?「避妊に使われるのはなんとなく知っているけど、そもそもどんな種類があるのかはわからない」という方も多いでしょう。

ピルにはさまざまな種類があって、目的に応じて使い分ける必要があります。そこで今回は、よく使用されるピルの中から、低用量ピルと生理移動ピル、アフターピルを解説します。

ピルにはどんな種類があるの?

ピルとは?

そもそも「ピル」とは、女性ホルモンの「卵胞ホルモン(エストロゲン)」と「黄体ホルモン(プロゲステロン)」の2種類を配合した薬剤のこと。

含まれる卵胞ホルモンの量によって、

  • 超低用量ピル
  • 低用量ピル
  • 中用量ピル
  • 高用量ピル

に分類されますが、高用量ピルは現在あまり使用されていません。

現在では、避妊目的の場合には低用量ピル女性ホルモンに関わる病気の治療には中用量ピルが使われるのが主流となっています。

中用量ピルには生理移動ピルやアフターピルが含まれます。

避妊や生理による不調をコントロールする「低用量ピル」

低用量ピルは中用量ピルに比べて卵胞ホルモンの量が少ないのが特徴です。低用量ピルは、月経困難症などの治療目的で使われることもありますが、主に避妊目的で使われています。

低用量ピルのメリットは、薬量を必要最低限に抑えられること、デメリットは飲み忘れに弱いことです。

低用量ピルは2種類の相性(そうせい)があり、それぞれ1シート内の女性ホルモンの配合量によって分かれています。

種類 特徴・メリット
1相性ピル ・ホルモンが含まれている21錠すべての成分が同量
・ホルモンの変動がないため体調の変化が起こりにくい
3相性ピル ・21錠中のホルモン量が1週間ごとに変えられている
・自然なホルモン変動に近い

低用量ピルは使用されている黄体ホルモンによって大きく4つに分かれているので、使用目的によって医師が適したものを処方してくれます。

それぞれの特徴や効果は以下のとおりです。

種類 お薬 特徴・効果
第1世代 シンフェーズなど ・出血量が減りやすいので月経困難症のコントロールに◎
・ニキビや肌荒れ改善
第2世代 トリキュラー
ラベルフィーユ
アンジュなど
・不正出血を起こりにくくする
・安定した周期を作りやすい
第3世代 マーベロン
ファボワール
・男性ホルモンの作用抑制
・ニキビ治療や多毛症の改善
第4世代 ヤーズ
ヤーズフレックス
・超低用量なので副作用が起こりにくい
・月経困難症や子宮内膜症に効果◎

旅行や大事なイベントには「生理移動ピル」

生理移動ピルは中用量ピルの一つです。旅行やイベントなどの大切な予定に重なりそうな生理を移動させることができます。

ピルを内服している間は生理が来なくなり、服用を中止すれば数日以内に生理が来るようになります。

正確な内服日を決めるには、直前月の生理開始直後に受診することがおすすめです。

生理を早めたい場合は

生理開始日から5日目までにピルの内服を始めて、希望する生理の2〜3日前まで内服を継続します。
生理を避けたい日にピルを内服する必要がないため、ピルの内服といった煩わしさや、ピルの飲み忘れを心配したりする必要がないことがメリット。

生理を遅らせたい場合は

生理が来ると予想される日の約5日前からピルの内服を始めて、生理を避けたい日まで内服を継続します。
ピルを内服している間は生理が来ませんが、内服を終えてから2〜3日で生理が始まります。

避妊ができなかった場合に服用できる「アフターピル」

アフターピルとは緊急避妊薬のことで中用量ピルの一つです。

妊娠を希望していないにもかかわらず、妊娠の可能性がある性行為をしてしまった場合に、緊急的に使用するピルです。

アフターピルの効果が発揮されるのは性交後72時間以内で、性交から服用までの期間が短いほど避妊率が高まるため、より早く服用することが重要です。

アフターピルは主に「レボノルゲストレル法」と「ヤッペ法」の2つに分かれています。それぞれの特徴は以下の通りです。

種類 妊娠阻止率 特徴
レボノルゲストレル法 85% ・1回服用
・副作用が少ない
ヤッペ法 57% ・2回服用
・吐き気などの副作用あり

アフターピルは、性交からの時間や妊娠阻止率、副作用などを総合的に判断して医師が処方します。

まとめ

ピルは、避妊だけでなく生理についての悩みや、子宮内膜症などの病気、肌荒れ対策など、さまざまな目的で使用されています。

含まれている卵胞ホルモンの量によって種類や使用用途が異なるので、どんな目的で使いたいのかをしっかりと医師に相談し、自分にぴったりなピルを処方してもらいましょう。