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高い避妊効果が期待できる低用量ピル。服用することで女性ホルモンをコントロールできるため、月経困難症や生理不順、PMS、ニキビなどの肌荒れ対策でも使用されています。
しかし、「気になる症状があるけど、低用量ピルの副作用が心配」と悩んでいる方も多いはず。
そこで今回は、低用量ピルの副作用について詳しく解説していきます。副作用と思われる症状が出た際の対処法や注意点もあわせて確認しておきましょう。
低用量ピルの主な副作用とは?
低用量ピルには、避妊以外にも生理にまつわるトラブルを改善したり、卵巣がんや子宮体がん・大腸がんのリスクを減らしたりなどの、さまざまな効果があります。
しかし、低用量ピルを服用することで副作用が現れる場合があるのも事実。
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低用量ピルを服用することで考えられる主な副作用は以下の6つです。
- 不正出血
- 吐き気
- 気分の落ち込み
- 乳房の張り
- がんのリスク
- 血栓症のリスク
安心して服用するためにも、それぞれの副作用の特徴を事前に把握しておくことが大切です。
不正出血
不正出血は、低用量ピルを飲み始めると約20%の人に現れる症状です。内服を続けていくうちに改善されるものなので、気にしすぎることはありません。
ただし、3ヶ月以上続く場合は、ピルの飲み忘れやほかの病気の可能性も考えられます。不正出血の量や回数が多く、長期間経っても改善されない場合は医師に相談しましょう。
吐き気
ピルに含まれているエストロゲンの影響で吐き気を引き起こす場合があります。特に飲み始めから3ヶ月以内に現れることが多いのが特徴です。
吐き気がひどい場合は、吐き気止めを処方してもらうのがおすすめです。
気分の落ち込み
低用量ピルの飲み始めに感じやすい症状として、必要以上に気分が落ち込んだり、不安になったりする場合があります。人によってはひどい眠気を感じることも。
低用量ピルを飲み始めたことがきっかけで気になる症状が出た場合は、医師へ相談してみましょう。ピルの種類を変えたり、ほかの薬を処方してもらうことで改善できるかもしれません。
乳房の張り
乳房の張りや手足のむくみを感じるのも、低用量ピルによる副作用の1つだと考えられています。
生理前になると乳房が張ったり痛みを感じたりする人や、低用量ピルを飲み始めてからむくみや急な体重増加があった人も、3ヶ月ほど経てば改善されるケースがあるので少し様子をみてみましょう。
しかし、どうしても不快感が強い場合や体重増加が著しい場合は、医師に相談してみてください。
がんのリスク
低用量ピルは卵巣がんや子宮体がん・大腸がんの発生リスクを減らすメリットがある一方で、乳がんや子宮頸がんの発生リスクを高める可能性があると言われています。
低用量ピルの服用が必ずしもがんの原因になるわけではありませんが、少なくても1年に1度のがん検診を行うことをおすすめします。
血栓症のリスク
低用量ピルを服用する上でもっとも注意しなければならないのが、血栓症です。血栓症とは、血が固まって血管を塞いでしまう病気のこと。
出産可能な年齢の女性が血栓症を発症するリスクと比べると、低用量ピルを内服することで3〜5倍に上がります。
ただし、出産前後の妊娠女性の血栓症の発症リスクは通常の20倍以上であることを考えると、そこまで恐れることではありません。
低用量ピルが原因となる血栓症は、発症の早期に適切な治療を行えば命にかかわる可能性は高くはない疾患です。
血栓症予防のためには、十分な水分摂取や長時間同じ姿勢を取るのを控えることが大切。また、生活習慣が大きく関わってくるため、禁煙を心がけたり肥満にならないように注意しましょう。
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なお、以下の方は血栓症のリスクが極めて高いため低用量ピルの内服はできません。
- 35歳以上で1日15本以上喫煙している人
- 45歳以上の人
- 片頭痛の診断がある人
- 妊娠中もしくは授乳中の人
副作用が出たらどうする?
低用量ピルの副作用は、あくまで一時的なものであることが多いため、日常生活に影響のない程度であれば3ヶ月程度は経過をみても良いでしょう。
低用量ピルには卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2種類の女性ホルモンが配合されているので、特に服用を開始したばかりの時期は、体内のホルモンバランスの一時的な変化によって副作用が現れやすい時期だと言えます。
副作用があると飲み続けることがツライかもしれませんが、ほとんどの人は服用を継続することによって、次第に低用量ピルの効果を実感できるようになるでしょう。
ただし、症状がひどい場合や悪化している場合、3ヶ月以上経っても改善されない場合は、医師に相談しましょう。ピルの種類を変えたりほかの薬を処方してもらったりすることで改善できるかもしれません。
まとめ
低用量ピルには避妊や生理トラブルを改善する効果が期待できる一方で、何かしらの副作用が現れる場合があります。
ほとんどの場合は飲み続けることで症状は改善していくため、日常生活に影響が出ない程度であれば様子をみながら飲み続けてみましょう。
ただし、どうしても症状が気になる場合や不安になってしまう場合は、遠慮せずに医師に相談することも大切です。
メリットやデメリットを正しく理解してから、安心して低用量ピルを活用しましょう。