過多月経の原因・症状・対策は?低用量ピルによる効果も解説

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生理の状況や症状は人によってさまざまですが、「生理がなかなか終わらない」「漏れてしまうくらいの出血がある」と感じている方は、もしかしたら過多月経かもしれません。

過多月経とは、1回の生理期間の出血量が150ml以上あったり、レバーのような塊が出たりする症状のこと。生理期間が8日以上続くものは過長月経ともいわれています。

過多月経は病気のサインの可能性もあるため、原因や症状を理解して、必要に応じて医療機関へ相談をしてみましょう。

今回は、過多月経の特徴と自分でできる対策や低用量ピルによる効果を解説します。

過多月経の原因は?

過多月経の原因として、子宮筋腫や子宮内膜症などの病気が存在する可能性があります。

子宮筋腫とは?

子宮筋腫とは、子宮にできる良性の腫瘍のこと。過多月経のほかには、ひどい生理痛や貧血、下腹部の圧迫感、しこりなどの症状があります。

子宮内膜とは?

子宮内膜とは、子宮の内側にある子宮内膜とよく似た細胞が子宮外で増殖してしまう病気です。ホルモンの働きに反応して、出血したり痛みや炎症を引き起こしたりします。

しかし、過多月経と診断された人の大半は、明確な原因がわかっていません。

要因の一つとして考えられるのは、子宮内膜における止血作用がうまく働かないこと。

経血は剥がれ落ちた子宮内膜と子宮内腔からの出血が合わさったものですが、子宮内腔からの出血への止血作用が不十分な場合に、過多月経になると考えられています。

過多月経の主な症状

過多月経は1回の生理期間の出血量が150ml以上ある状態のことをいいますが、経血量を計測するのは難しいもの。

以下のチェック項目に1つでも該当していたら過多月経の可能性があるので、我慢せずに医療機関を受診しましょう。

  • 昼でも夜用のナプキンを使う日が3日以上ある
  • 普通のナプキン1枚では1時間ももたない
  • タンポンと同時に夜用ナプキンを使っている
  • 生理用オムツを使用しないと漏れてしまう
  • 経血にレバーのような大きなかたまりが混じっている
  • 以前より経血量が増え日数も長くなった
  • 貧血による動機や立ちくらみなどがある

過多月経の対策

過多月経と診断され、検査によって子宮やホルモンなどの病気が見つかった場合はその治療を行います。

検査で原因となる病気が見つからなかった場合は、生活習慣の見直しや低用量ピルの服用などで治療を行います。

生活習慣を見直す

体が冷えると経血の量が増える場合があるので、体を冷やさないように心がけましょう。

また、過多月経の人は鉄欠乏性による貧血を合併しているケースが多いので、鉄分の多い食事を摂ることも大切。

マッサージやエステなど血流を促す行為は、かえって経血量が増えることもありますので、症状がひどい場合は避けましょう。

低用量ピルを服用する

ピルとは、エストロゲンとプロゲステロンの2つの女性ホルモンが含まれた薬のこと。

ホルモンを調整し排卵を抑制することで、月経を止めたり経血量を減らしたりできます。

ただし、年齢や既往歴によって低用量ピルの服用ができない場合は、ミレーナと呼ばれる器具を子宮に入れる方法もあります。

ミレーナとは

ミレーナとは子宮内黄体ホルモン放出システムのことで、子宮内で黄体ホルモンが持続的に放出される仕組みになっています。そのため、子宮内膜が厚くなるのを防ぎ、結果的に月経の回数や経血量を減らす効果が期待できます。

まとめ

生理の出血量が多い方や、レバーのような塊が出る方は、過多月経の可能性があります。

過多月経には子宮筋腫や子宮内膜症などの病気が隠れている場合があるので、気になる症状がある方は一度医療機関を受診してみましょう。

我慢や放置を続けていると、病気が進行したり不妊の原因になってしまいます。

まずは、過多月経の原因となる病気があるのかどうかを診察してもらい、自分にあった方法で改善していきましょう。