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低用量ピルに避妊効果があることは知られているものの、どのくらいの避妊率があるのかを知っている人は少ないのではないでしょうか?
低用量ピルを飲んでいるからといって100%避妊できるわけではありません。
今回は、低用量ピルの避妊率について、そしてピルを飲んでいても妊娠する理由についても詳しく解説します。
低用量ピルの避妊率
低用量ピルの避妊率は99.7%といわれています。
ただし、これは1日1回正しい方法でピルを服用した場合の避妊率です。
飲み忘れも含めた「一般的な使用」の場合の避妊率は、91%だといわれています。
日本でもっとも一般的な避妊方法であるコンドームの避妊率と比較すると、低用量ピルはより高い避妊効果があることがわかりますが、100%避妊できるわけではないという点に注意しましょう。
避妊方法 | 理想的な使用 | 一般的な使用 |
低用量ピル | 99.7% | 91% |
コンドーム | 98% | 82% |
低用量ピルが避妊に効果的な理由
低用量ピルは、排卵を起こさなくする効果があるため、避妊効果が期待できます。
これは、低用量ピルに含まれる卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2つの女性ホルモンが脳下垂体に働きかけて、卵胞を成熟させるホルモンの分泌を抑えるためです。
つまり、卵子が作られないので排卵が起きなくなります。
また、低用量ピルに含まれる女性ホルモンは、通常の女性の卵巣で作られるものより量が少ないため、子宮内膜が着床に向けて分厚くなることができず、さらに精子が子宮内に入りにくい状態も作ります。
低用量ピルの避妊効果
・排卵の抑制
・受精卵の子宮内膜への着床を阻止
・精子の子宮内への侵入を阻止
低用量ピルの避妊率を下げてしまう原因
低用量ピルは、正しい服用をしなければ99.7%という高い避妊効果を発揮できません。
低用量ピルを服用しているのに避妊率が下がる原因としては、主に以下の3つが挙げられます。
飲み忘れ
低用量ピルの飲み忘れは避妊率を低下させます。
特に飲み始めの頃は飲み忘れが起きやすいため、注意が必要です。
低用量ピルを1日でも飲み忘れると排卵してしまう可能性があるため、避妊の効果は激減してしまいます。次の生理が始まり低用量ピルを服用するまでは、妊娠の可能性があることを理解しておきましょう。
飲み忘れを防ぐためには、毎日同じ時間に服用するようにして、ルーティン行動とセットにしたり、リマインダーを設定したり、カレンダーや手帳に記録をつけたりするのがおすすめです。
万が一飲み忘れてしまった場合は、以下のように対処しましょう。
24時間以内に気がついた場合
気づいた時点で忘れた分を服用し、その日の分の1錠も通常通りの時間に服用する
2日以上飲み忘れてしまった場合
低用量ピルの服用を一旦中止し、次の生理を待って新しいシートを再開する
服用始めのタイミング
低用量ピルは、飲んですぐ効果が出るものではありません。
生理初日から飲み始めた時を始点にして、最初の7日間は通常通り妊娠するリスクがあります。
服用のタイミングと避妊効果が出るタイミングをしっかりと認識していないと、思わぬ妊娠をしてしまう可能性があることを理解しておきましょう。
他のサプリや薬との併用
低用量ピルは他の薬やサプリメントとの相互作用によって、ピルの効果が激減してしまうことがあります。
定期的に薬を服用している人や、ピルを飲んでいる人が新たな薬を始める場合は、飲み合わせについてきちんと医師に相談しましょう。
まとめ
低用量ピルは99.7%という高い避妊率を誇りますが、100%避妊できるわけではないこと、そして正しい方法で服用しないと効果が激減してしまうことを理解しておく必要があります。
特に飲み忘れや、飲み始めのタイミング、他の薬やサプリとの併用によって避妊効果が下がってしまうため注意しましょう。
避妊効果をよりアップさせるためには、低用量ピルの服用にプラスしてコンドームを利用するなど、複数の避妊方法を併用することがおすすめです。